『マライアキャリーほど優れたミュージシャンを知らない』
それは少し言い過ぎかもしれないが、全盛期のマライアキャリーは半端じゃなかった。
まずは聞いてほしい。
Ella fitzにも負けないふくよかで倍音に飛んだ声、
当たり前のようにやってのけるファルセット、ホイッスルボイス
自分自身がストレートに反映された表現力
後ろのコーラス隊の声が聞こえてくる
『ボス、一生ついていきますぜ!!!』
そして、マライアほど波のあるミュージシャンも、また知らない。
1993年から1996年にかけて、マライアは誰もが認める正統派ゴスペル系ポップミュージシャンであった。
今人気のビヨンセやJessieJやArianaが萎縮するほどの。
1998年にMariahは離婚する。
旦那は元々マライアのプロデューサーであった。
旦那さんは、今までの路線で音楽を続けてほしかったらしい。
マライアはラップを取り入れて新しいチャレンジをしたかった。
そう、バンドの方向性の違いのように、音楽の方向性が合わなかったが故に、マライアは離婚してしまった。
そして、関係が怪しくなってきたと思われる1997年ごろから、マライアのパフォーマンスは、下降を続けることになる
マライアのパフォーマンスが下がった理由として、2つ考えられる。
1つは、いい旦那を失ったこと。この時ほど良い関係性を持った旦那と付き合うことができたのであろうか。
時に「女の人生は付き合った男で決まる」という言い回しもあるくらいで、いい音楽への環境必然性が絶えてしまったことが考えられる。
All I want for ChristmasのPVに出てくる男性は、マライアの旦那である。
中むつましい様子が微笑ましく、今振り返ってもとても切ない。
2つ目は、ラップに傾倒した結果、ラップの平坦なリズムで歌う癖がついてしまったこと。
美輪明宏さんがどっかのインタビューで「あんたラップとかマジクズね」※実際はもっと知的な表現をされてます。
とも言ってましたけど、ラップによって感性が萎縮されたのではという見方も否定できないわけではない。
マライアは2008年くらいに復活する。
復活してグラミー賞をまた取りまくる。
それでもあの感動的な声は2度と戻ってこない。
一方で、2008年ごろのマライアの試みは、音楽史上前例がなく、革新的で、後のアーティストにも大きな影響を与えたともいう。
たらればになってしまうのだが、もしマライアが最初の旦那と別れることなく、路線変更せずに正統派を突き切っていたら、
実力はそのままに、トップアーティストとして君臨し続けたと思う。
彼女は正に、チート級だったのだから。
Aretha FranklinやEla、Adeleのように。
歳をとっても歌唱力が衰えない化け物たちのように。
かといって、同じ路線だったら、今ほどヒット曲をバンバン出せていないだろうし、メディアを騒がせる痛セレブでもなんでもいいんだけど、
お茶の間を楽しませてくれるようなマライアではなかったかもしれない。
ちなみにAvril Lavineのピークは2008年、BestDamnツアーである。
GAGAは2012くらいだったかな。
Adeleは今の所、衰え知らず。Heylly WilliamasもBluno Marsも。
エアロスミスははなぜあの歳で、あれだけシャウトできるのか分からない。
昔のマライアを聴いていると、泣きそうになるのは私だけであろうか?
全盛期を逃すと、2度と見れない。
それがLiveの醍醐味の一つである。
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